地域や企業の皆さんと学び合い、変わり続けるつな研

地域や企業の皆さんと学び合い、変わり続けるつな研

つながる地域づくり研究所/専務理事 林 和弘

私は、48歳で岡山県庁を早期退職するまで、筋金入りの行政マンとして過ごしてきました。新しい向き合い方で、初心に帰って地域に貢献する方法を模索する中で、代表の一井とともに法人を立ち上げたのが、つながる地域づくり研究所(つな研)のはじまりです。

当初は自治体職員に、全国各地の優良な先進事例、成功例などを、効率よく届けたいとの考えから、47都道府県の新聞を読み漁り、レポートにまとめる活動に邁進していました。単に事例を紹介するだけでなく、誰が、どのように、どういった仕組みで実現させたのか、見習うべきポイントなどの解説も加えることにこだわりました。現役時代、限られた時間の中で、他のまちの有益な情報を手に入れる、よい方法がなかった経験がきっかけです。また、他のまちの情報から、学びや気づきを得ることで政策が変わり、地域が変わっていく。そうした循環が必要だと考えたのです。

情報収集に明け暮れる中で、いつかは地域の役場と直接つながりを持ち、一緒に何かに取り組む、パートナーのような存在になりたいと思い描いていました。現在のように、伴走支援者として、全国の自治体からお声がけを頂き、輪が広がり、何かをつくり上げる場にご一緒できる事は、大げさではなく、夢のように感じています。

私たちのつながりの特徴は、協働を始めた皆さんと、継続的な関係づくりを行うことです。近年、地域が存続するために、都市部とのつながりの重要性が再認識され、双方間の人材交流プログラムやマッチングサービスも、多様化しています。しかしその多くは、発展性や継続性に乏しく、中途半端なものに陥りがちであると言わざるを得ません。

私たちは、それぞれの地域を知り、地域の皆さんから学ぶとともに、見据えているものが着実に実を結ぶまで、地道で、ときに泥臭いところまで、ご一緒することを大切にしています。継続的でよい関係を築くために、何ができるのか、どういう姿勢であるべきかを問い続けることが、変わらない軸です。私たちの取り組みは、地域の皆さん、都市部企業の皆さんの双方に学びながら、柔軟に形を変える、唯一無二の「つな研流」と自負しています。

変化する時代に、これからは地域だけ、民間だけの力で、地域や社会を変えていくのは困難です。官や民と隔てるのではなく、民間の人びとが持っている専門スキルと経験、知識をまちづくりの中に取り入れるとともに、色々な分野がつながり、ともに考え、フラットな関係で取り組んでいく必要があります。つな研は、そのためにできる事を、さまざまな糸口から探り、柔軟に実践しています。私たちも、まだまだ学びの途上です。

まちに足を運ばせてもらい、お話を重ね、互いに知識や学びが増えることで、押しつけではなく、自治体の皆さん、地域の皆さんと同じ未来像、価値観が像を結んでいきます。そして、やりたいことを一緒に実現させていくためのプロセスを考えることに、いつもわくわくしています。どんな小さなきっかけでも構いません。ぜひ身近なパートナーとして、ご一緒できる機会を楽しみにしています。

お問い合わせ

都市部の民間企業と地方自治体(地域)に属する、普段は出会わない人同士が、
知恵や経験を持ち寄り、フラットで対等な立場から対話を重ね、仲間となって、一緒につくり上げていく「放課後企業クラブ」。
双方のマッチングから成果の創出まで、一貫して、つながる地域づくり研究所がサポートします。